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風変わりな宝物


 今頃になって「アメリ」のDVDを観ました。
夢っぽい色彩と、現実的ウィットをちりばめた、アメリという内気な女の子の映画でした。テイストとしては好みではなかったのですが、ちょっと考えさせられました。考えさせられるって、好きで考えてるんですけど。


 内気な人が内気である理由の1つに、自分の中の独特な世界を大切にしたい気持があるのかもと思います。もしある人が、とっても変わった宝物を持っていたなら、その宝物の意味を共有できない相手に、わざわざ宝物を見せるような危険はおかしたくないと思うかも知れません。特に心の中の変わった宝は、注意深く人目に触れないところに置いて、大切に育てるのが得策なのかも知れません。映画の中で、アメリが恋をする青年もアメリ同様、変わった宝物を大切にしている人でした。「同じにおい」とアメリは言ってます。アメリの宝物と彼の宝物は同じじゃないと思いますが「事情を理解し合える」ってとこなんでしょう。


 ところで、「アメリ」を観た人のレビューには「共感した」という意見が多かったです。主に不器用な恋への共感だと思いますが、個人的には心の中に風変わりな宝を持つ人への共感というのもここでひっそりと付け加えさせて欲しいです。音楽家としても、そういう変さを大切にしよう!風変わりバンザイ!変な笛吹きバンザイ!映画の夢見が覚めやらず、小声で大きな事を言ってみたくなりました。