せぼね派



先日、ある人に「和風の曲を吹くときとシャンソンを吹くときではどんな風に違いま

すか?」と質問されました。とっさに「背骨です」と答えました。


わたしは和笛と洋笛(?)の両方を吹くのでいろいろなジャンルの音楽を演奏する

機会があり、以前からその切り替えを無意識に「背骨」で やってきたように思いま

す。でもしばらくの間はそれが具体的に何なのかうまく言葉で説明できない状態

でした。その後「背骨で切り替える」ということついてはっきり認識したのはテレビで

イッセー尾形さんの一人芝居を見たときです。夜更けのバーテンの背骨、お節介

な近所のおじさんの背骨、見事に違う動きをしていました。どんな職業でどんなタ

イプの人を演じているのか言葉がなくても背骨が物語っているように感じ、それ以

来イッセー尾形とまではいかなくても自分も「背骨派」でいこうと思って吹いてきた

のです。


ところで、先ほどの質問の方がおっしゃるには、その方が通っている整体の先生が

例えばシャンソン歌手がよく動かすのは背骨の何番目で、クラシックの場合はまた

何番目・・・というようなことを話してくれたそうです。背骨派の人間としては全くゾ

クゾクするほど興味深いお話でした。
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