笛吹のアキレス腱

笛吹きのアキレス腱

以前ある地方のホールで３０分ほどの演奏したとき、本番前舞台の袖で

準備体操をしていたところ地元のスタッフの方の一人が通りかかって、ちょう

どその時私がアキレス腱のストレッチにとりかかっているのをみて「笛を吹くの

にアキレス腱ですか？」ときくので「ハイ、大事ですよ」といったらずいぶんびっ

くりしたようでした。笛を吹いている姿は端から見ればそんなに重労働には

見えないからでしょう。

実際には楽器がそんなに重たいわけではないのですが、演奏するときに体

が固くなっているとどこかしら無理な力がかかったり心がちぢこまってしまうよ

うなので、演奏前には全身を動かすことにしているのです。それに笛の演

奏は呼吸をコントロールすることが大切ですから全身の調子を整えておか

なければどうも具合が悪いのです。

こんな訳なのですが出番前なのでちゃんと説明する余裕がなく、いつかのス

タッフさんにマッチョ演奏家（これもよくわからないけど）と思われたかもしれな

いなぁ、まぁいいか、などととぼんやり思い出すことがあります。